●江戸明治和本●〈新板頭書・名所古跡・箱根社・道了宮〉七湯廻文章［〈道了権現・箱根権現・七湯廻〉記行文章］ 【判型】中本1冊。縦180粍。 【作者】十返舎一九作。 【年代等】文政5年初刊。天保3年3月再刊（［江戸］森屋治兵衛板）。 【備考】分類「往来物」。本書は、相模国箱根七湯（湯本・塔の沢・宮の下・堂ケ嶋・底倉・木賀・芦の湯の七湯）の由来や効能、また、同地へ至る沿道の名所旧跡などを紹介した往来。品川から小田原、小田原から道了権現までの道程や付近の名勝、再び小田原へ戻って箱根へ入り、湯本以下七湯の効能などに触れながら、さらに箱根三社権現へ足を伸ばして、同社の神体・縁起・故事について説いた後、権現坂から湯本・小田原までの行程を簡単に述べて結ぶ。本文を大字・5行・付訓で記す。頭書には七湯の湯宿や里程、温泉の具体的な効能について記した「箱根温泉廻」や、「温泉之記」「伊豆の温泉」「箱根山名物」「唐之一行禅師旅行之法（旅行心得）」「旅行心得の狂歌」など、道中記風の多彩な記事を掲げる。 ★原装・題簽欠・状態並み。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。